しじみの殻の色は何色なのか
しじみの殻の色や模様を、じっくりと見たことはありますか?
ひとつひとつ色合いが違ったり、縞模様だったり、つやつやしていたりと、さまざまです。
しじみは意外にも個性があり、その特徴にはなかなか興味深いものがあります。
しじみの殻の色
しじみは、品種や産地によって殻の色に違いがあります。
素人が見た目で判別することは難しいといわれるしじみですが、それでもいくつか大きな違いがあります。
ヤマトシジミ
国内で最も水揚量の多いヤマトシジミの殻の色には、稚貝から成貝になるまでの間にいくつもの変遷が見られます。
生後間もなく、殻の横幅が2mmくらいになるまでは、褐色に淡い黄白色~茶色の放射状の筋(成長脈)が見られます。
生後1年ほど経って4mmくらいになると、紫色をした斑点が現れるようになり、8mmくらいで黄緑色になります。
成貝になるにつれ、光沢のある褐色を帯びた黒色に変化していきますが、他のしじみよりも成長脈が弱く、内側は白っぽい紫色をしているものが多くなります。
25mm以上の大型になると貝殻の表面が剥がれ、白色が見えているものが増えます。
ヤマトシジミの成貝は、しじみの品種の中で最も光沢感が強く、つやつやとしているのが特徴です
マシジミ
マシジミは、ヤマトシジミと違ってあまり光沢感がないものが多く見受けられます。
稚貝の頃にはつやのない黄緑色をしており、斑点模様がついています。
若い貝の殻の表面は、黄みがかった褐色で、成長していくにつれて緑、黒と濃い色に変化していきます。
貝殻の内側は、濃い紫色をしています。
泥の底にいた貝は泥の成分によって黒っぽくなりますが、砂の底にいた貝は明るい色をしているものが多くなります。
このように、マシジミの殻の色は、生育した場所の影響を受けやすいといわれています。
セタシジミ
琵琶湖から瀬田川にかけての水域でしか獲ることのできないセタシジミは、他の品種よりも黄色っぽく、光沢感に乏しいのが特徴です。
稚貝はより黄色みが強く、成長していくにつれて色味が濃くなっていきます。
貝の殻表面にはくっきりとした成長脈が見られ、貝の内側は紫色です。
個体によってはべっ甲色や黄緑色であったり、黄色と黒の縞模様を呈しているものなどもあります。セタシジミのこのべっ甲色もまた、マシジミ同様、生育した土壌の影響によるものです。
タイワンシジミ
タイワンシジミは、中国や台湾から入ってきた淡水域で穫れるしじみです。
見た目はマシジミに似て、黄みがかった淡い色合いで、殻の内側は白色をしています。
殻の色で分かる美味しいしじみの見分け方
しじみの鮮度や美味しさは、ある程度殻の色から見分けることができます。
ヤマトシジミの場合は、赤みがより強く出ているもので、黒々とした光沢があるものが美味しいとされています。
マシジミもまた、赤みが強く茶色に近い色をした貝の方が美味しいようです。
個性豊かなしじみ、殻の色にも注目してみよう!
一口にしじみと言っても、品種や生育した場所などでこんなにも違いがあるのです。
次に売り場でしじみを見かけたら、新鮮かどうかを見るだけでなく、どの品種なのか、どのような環境で穫れたのかなど、想像してみると面白いでしょう。