輸入されるしじみの原産国
私たちがスーパーなどで手に入れることのできるしじみには、国産のものと外国産のものがあります。
とくに1980年代以降は、国産しじみの漁獲量減少に伴い、外国産しじみの輸入が増え、現在は国産を外国産が上回るほどになっています。
国産に比べて価格も安く手に入れやすいことから、輸入しじみはとても身近な存在ですが、具体的にはどのような国から輸入しているのでしょうか?
中国
2007年までは輸入量第一位だった中国ですが、現在はロシアに取って代わられています。
中国からは、2種類のしじみが輸入されています。
バチ型シジミ
中国から輸入されるしじみは、バチ型シジミと呼ばれる品種で、三味線のバチのような正三角形をしています。
しかし、見た目での判別は難しいとされており、しばしば国産のヤマトシジミと混同して販売されることがあります。
日本で水揚量の多いヤマトシジミは、大きいものに高値がつけられることが多いですが、このしじみは大きい割に価格が安いという特徴があります。
また、ヤマトシジミは汽水域で採れるのに対し、バチ型シジミは太湖を中心とした淡水の湖で水揚げされます。
淡水で採れるしじみは旨味が少なく、味が薄いといわれています。
タイワンシジミ
他にも、中国や台湾近郊の淡水域に棲息する、タイワンシジミという品種があります。
見た目で判別できないため、国産のマシジミなどと混同されて販売されていることがあります。
食べても問題はありませんが、食用として認知されておらず、味も薄く臭みがあるため美味しいとは言えないようです。
近年、何らかの理由で国内に流入し、在来種で同じ淡水のマシジミの存続を脅かしているとして、問題になっています。
北朝鮮しじみ
北朝鮮で採れるしじみは、タイリクシジミという品種です。
現在は、北朝鮮への経済生産の一環として輸入が許されていないため、国内には出回っていません。
それまでは普通にスーパーに並び、ヤマトシジミと見た目も変わらず、味も遜色ないといわれていました。
韓国
ヤマトシジミは、海外にも分布しています。
DNA配列は違うものの、国内のものとほぼ同品種と考えられており、韓国からも輸入されます。
しかし、2008年以降は輸入量が激減。
さらに、2012年に韓国産のしじみからエンドスルファンと呼ばれる、毒性の強い農薬の一種が検出されました。
現在、韓国産のしじみは、どこのスーパーでもほぼ見かけないほど輸入量が減っています。
ロシア
ロシアは2007年以降、中国や韓国を抑えて、輸入量第1位にまで台頭しています。
ロシアのしじみは、北朝鮮や中国の国境近くに位置する、ポシェト湾などで水揚げされます。
ポシェト湾は日本の宍道湖と似た汽水の環境のため、ここから輸入されるしじみの品種も、ヤマトシジミの仲間と考えられています。
価格が安いにもかかわらず、国産に比べて味もそれほど劣らないことから、輸入量が増えている理由は明らかです。
手頃な輸入しじみで、毎日栄養補給!
国産しじみは、水揚量が減っている影響で価格が高くなりつつあります。
一方、外国産のしじみであれば、手の届きやすい価格で購入することができます。
頻繁に食べるのであれば、外国産も選択肢の一つに加えても良いかもしれませんね。