しじみとレバー、鉄分が多いのはどっち?
鉄分が豊富な食品の代表といえば、レバーのイメージが強いですよね。
実は、和食などで馴染み深いしじみにも、鉄分がたっぷり含まれています。
今回は、しじみとレバーの鉄分量を比較し、鉄分の種類や働きなどについて解説します。
レバーに含まれる鉄分量
焼き鳥やレバニラ炒めなどの材料として人気の鶏レバーには、100gあたり9mgの鉄分が含まれています。
また、牛レバーには100gあたり4mg、豚レバーには100gあたり13mgの鉄分が含まれています。
しじみに含まれる鉄分量
一方、水煮のしじみ100gには、なんと14.8mgもの鉄分が含まれています。
生のしじみでも5.3~8.3mgの鉄分が含まれており、鶏レバーや豚レバーに匹敵するほどです。
あまり知られてはいませんが、しじみはレバーと同等の鉄分を含んでいることが分かります。
鉄分の種類と吸収率
私たちの体に必要な鉄分(有機鉄といいます)には、大まかに分けて2つの種類があります。
非ヘム鉄
野菜や果物、海藻などに多い植物性の非ヘム鉄は、ビタミンCや動物性たんぱく質の助けを借りて吸収されます。
しかし、途中でお茶やコーヒーなどに含まれるタンニンや、野菜に豊富な食物繊維から阻害されることも多く、その吸収率は決して高くはありません。
ヘム鉄
その一方で、レバーやしじみに含まれる動物性のヘム鉄は、非ヘム鉄の5~6倍吸収率が高く、鉄分の補給に適しているといえます。
また、ヘム鉄の場合は非ヘム鉄と違って、タンニンから吸収を阻害されることがなく、お茶やコーヒーなどと一緒に摂っても問題ないというメリットもあります。
体内での鉄分の働き
血液中の赤血球には、ヘモグロビンという血液組織が存在します。
ヘム鉄は、約70%がそのヘモグロビンを構成しており、酸素と結びついて酸素を身体中に運搬するという、重要な役割を担っています。
残りの30%ほどは、肝臓や脾臓、骨髄などに貯蔵され、鉄不足や貧血の際など、必要な時に利用されます。
鉄分の必要量
成人男性は一日に7~7.5mg、成人女性は6~6.5mgの鉄分を食事などから摂取することが必要です。
ただし、月経や出産など、男性に比べて体内の鉄を損失する機会が多く、貧血を起こしやすい女性は、この数値にかかわらず積極的に摂取することが大切です。
しじみで鉄分を補給しよう!
しじみは肝臓に良いことで、これまではお酒を飲む機会の多い男性ばかりに注目されがちでしたが、鉄分が不足しがちな女性にこそ、おすすめしたい食品なのです。
鉄分だけでなく、さまざまな栄養素がバランスよく含まれるしじみを摂って、毎日の健康増進に役立てましょう。