しじみには利尿作用がある
身体の健康を保つために、水分と一緒に毒素や不要物を尿として出すことは、とても重要なことです。
利尿能力の低下はさまざまな弊害をもたらしますが、利尿作用をもつ栄養素が豊富な食材に、しじみがあります。
しじみに含まれるそれぞれの栄養素の役割と、身体への効果についてご紹介します。
シジミに含まれる利尿作用に効果がある成分
カリウム
利尿作用の高い栄養素として代表的なのが、カリウムです。
しじみの可食部100gには、約66mgのカリウムが含まれています。
食事から塩分として摂取されるナトリウムとのバランスをとり、細胞の浸透圧を調節して、身体の状態が常に一定であるよう、維持するはたらきがあります。
ナトリウムは、摂りすぎると高血圧の原因の一つにもなりますが、カリウムがナトリウムを尿として排出することで、血圧を下げる作用もあります。
オルニチン
オルニチンは、肝臓の健康維持や二日酔いに効くとされ、しじみに含まれる中で最も注目されることの多い栄養素です。
なぜオルニチンが肝臓に良いとされるのかは、「オルニチンサイクル」というオルニチンのもつ利尿作用が、肝臓の機能を高めているからです。
私たちが食事で摂取したたんぱく質は、肝臓で分解されます。
ところが、その時に副産物として、アンモニアという有毒物質が発生してしまいます。
そこで、オルニチンが、アンモニアを最終的に無毒な尿素に変え、尿と一緒に排出させるのです。
遺伝的な理由などで、オルニチンがアンモニアを無毒化できず尿として排出できないと、毒素が蓄積して、命にかかわる病気を発症することがあります。
そのことからも、オルニチンの作用がいかに重要な役割を果たしているかということが分かります。
メチオニン
メチオニンは、食事から摂取しなければならない必須アミノ酸の一つで、しじみに含まれています。
肝臓の機能に関わっており、アルコールの分解によって消費されるため、お酒をよく飲む人は不足しないよう補う必要があります。
不足すると利尿能力が低下し、毒素や老廃物の排出が滞ってむくみを引き起こすことがあります。
他にも、血中のコレステロール値を調節するなどのはたらきがあります。
特にこんな人にはしじみがおすすめ!
これらの栄養素は、それぞれをサプリメントなどで別々に摂るよりも、しじみなどの食材から総合的に摂取し、相互作用を得ることが大切と考えます。
とくにしじみは、以下のような人にはおすすめです。
アルコールをよく飲む人
アルコールをよく飲む人は、これら利尿作用をもつ栄養素が不足しやすい傾向にあります。
特にオルニチンやメチオニンは、アルコールの分解に利用されて失われやすいため、日頃から補う必要があります。
お酒を飲む際はつまみにしじみを使った料理を食べたり、最後のしめにしじみ汁を飲むなどして、肝臓の機能や利尿作用を低下させないようにしましょう。
むくみが気になる人
上でご紹介した栄養素は、どれもむくみ対策には効果的なものばかりです。
塩分を多く摂ると、身体がバランスをとろうとして水分を溜め込み、それがむくみにつながります。
しじみに含まれる栄養素によって利尿能力が高まれば、摂りすぎた塩分を水分と一緒に排出することで、むくみが解消できます。
しじみを料理に使う際は、できるだけ薄い味付けで食べるようにすると良いでしょう。
美容に気を使う人
利尿能力を高めてデトックス効果を得ることは、不要なものを排出して、美容やダイエットの土台を作ることにもつながります。
老廃物や毒素が溜まっていると、お肌に吹き出物ができたり、痩せにくいといった影響もあるからです。
脂肪分もカロリーも低いのに栄養豊富なしじみは、きっとダイエットの強い味方になってくれることでしょう。
しじみで身体のサイクルを整えよう!
栄養を摂るということは、ただ摂るだけでなく、身体に吸収されて上手に利用され、残った不要なものを排出するまでが一つのサイクルなのです。
健康志向の高まりによって、昨今は食品の栄養素が注目されることも多いですが、なかなかそこまで意識できる人は多くないように思います。
しじみに含まれるたくさんの栄養素で、本来の身体のサイクルを整えましょう。